字幕は、内容が正しくても表示時間が短すぎると読み切れません。長く出しすぎると、音声やカットとのずれが目立つことがあります。まず確認しやすい数値が、1秒あたりの文字数です。
HIKARI STUDIOの字幕の文字数・表示時間チェックは、字幕1枚ぶんのテキストと表示秒数から文字/秒(CPS)を計算します。目標値に必要な表示時間、行ごとの長さも確認できます。入力した文章は送信・保存しません。
字幕の文字/秒(CPS)を計算する式
計算は「文字数 ÷ 表示時間」です。20文字を5秒表示する場合は4文字/秒です。同じ20文字でも2.5秒なら8文字/秒になります。
目標値から必要な時間を逆算する式は「文字数 ÷ 目標CPS」です。20文字を4文字/秒以内に収めるには5秒、7文字/秒以内なら約2.86秒が必要です。ツールは現在のCPSと逆算した秒数を並べて示します。
4文字/秒と7文字/秒を同じルールだと思わない
字幕の基準は、配信先、字幕の種類、言語、対象視聴者によって異なります。共通の絶対値はありません。
Prime Video Subtitling Guidelinesは、言語で読み速度が異なる例として、日本語に4文字/秒を挙げています。同じガイドは、最小表示時間をおよそ5/6秒、最大を7秒と説明しています。実際の納品では言語別ガイドと案件仕様を確認します。
Netflix Japanese Timed Text Style Guideは、日本語のタイムドテキストについて、項目によって最大7文字/秒としています。これはそのサービスの制作仕様です。4と7のどちらかが常に正しい、という関係ではありません。
文字数の数え方も先にそろえる
同じ文章でも、全角と半角をどう数えるかで結果が変わります。単純なチェックでは、改行を除いて各文字を1と数える方法が分かりやすいです。
Netflixの日本語ガイドでは、全角文字・空白・句読点を1、半角文字・空白・句読点を0.5として数える項目があります。ツールの「全角1・半角0.5」モードは、この数え方を確認しやすくするため、ASCIIと半角カナを0.5、それ以外を1として数えます。絵文字や結合文字を含む特殊な納品仕様まで保証するものではありません。
行の長さとCPSを分けて確認する
文字/秒が低くても、1行が長すぎると画面上で追いにくくなります。逆に1行が短くても、表示時間が極端に短ければ読み速度は高くなります。
Netflixの同ガイドでは、横書き字幕について、項目により全角13文字または16文字を1行の上限として示しています。数字が違うのは用途が違うためです。ツールの初期値は13文字ですが、納品仕様に合わせて変更できます。
字幕チェックの手順
- 字幕1枚ぶんのテキストを入力します。
- タイムライン上の表示時間を秒で入力します。
- 納品先に合う目標CPSと文字数の数え方を選びます。
- 実際のCPS、必要時間、最長行を確認します。
- 目標を超えた場合は、表示を延ばす、文を短くする、字幕を分ける方法を検討します。
表示時間を延ばすときは、音声の始まりと終わり、次の字幕、カット点も確認します。単純に秒数だけを足すと、発話との同期や画面転換をまたぐ問題が起こることがあります。
フレーム単位の尺へ戻す
編集ソフトでは秒よりフレームで調整することがあります。必要な表示時間を出した後、素材のfpsに合わせてIN・OUTを決めます。開始・終了タイムコードから正確な尺を確認する場合は、タイムコード尺・フレーム計算を使えます。
23.976、24、29.97、30fpsは同じフレーム数でも実時間が少し異なります。字幕CPSは実際の表示秒数で計算し、フレーム数だけを秒数として扱わないようにします。
この計算で判断できないこと
- 翻訳や日本語表現が自然か
- 固有名詞や漢字の難しさが視聴者に合うか
- 発話、音楽、効果音との同期が適切か
- カット点やテロップとの重なりがないか
- 納品ファイルの形式、位置、色、改行規則に合うか
CPSは修正候補を見つけるための数値です。最終判断では映像を再生し、対象視聴者と納品先の仕様に合わせて確認します。
入力データと参考資料
ツールはHTML、CSS、JavaScriptだけで動きます。入力した字幕、秒数、目標値を外部へ送らず、Cookie、LocalStorage、SessionStorageにも保存しません。再読み込みすると入力と結果は消えます。
本記事の基準例は、Netflixの日本語タイムドテキストガイドとPrime Videoの字幕ガイドで確認しました。いずれも更新される可能性があるため、納品時点の公式仕様を優先してください。
