フィルムをスキャンするとき、2400dpiや3200dpiという設定だけを見ても、最終的な画像が何ピクセルになり、どの程度の大きさで印刷できるかは直感的に分かりにくいものです。必要なのは、読み取るフィルム画面の実寸、スキャン解像度、印刷時に使うPPIの3つです。
この計算で分かること
ツールはフィルムの読み取り範囲とスキャンdpiから、出力される横・縦のピクセル数とメガピクセルを求めます。さらに、指定したPPIで配置したときの印刷サイズ、RGBまたはグレースケールの非圧縮画素データ容量を表示します。
ここで求めるのは、設定値から計算できる名目上の出力です。フィルムに記録された細部、粒状性、撮影時のピント、スキャナーの光学系やセンサー、ソフトウェアの補間性能を評価するものではありません。
フィルム名ではなく読み取る実寸を使う
35mm判では36×24mmが計算の基準として使われます。一方、中判の645、6×6、6×7、6×9という呼び名と、実際に写る範囲は必ずしも同じ数値ではありません。カメラのマスク、フィルムホルダー、スキャナーが読み取る範囲でも差が出ます。
ツールのプリセットは代表的な画面寸法です。端まで含めて見積もりたい場合や、スキャンソフトに読み取り寸法が表示される場合は「寸法を直接入力」を選び、実際の横幅と縦幅を使ってください。
スキャンdpiからピクセル数を求める
1インチは25.4mmです。フィルムの寸法をインチへ換算し、スキャンdpiを掛けると出力ピクセル数を求められます。
出力ピクセル数=フィルム寸法mm÷25.4×スキャンdpi
35mm判の36×24mmを2400dpiで読み取る場合、横は約3402px、縦は約2268pxです。画素数は約7.72MPになります。実際のスキャンソフトでは、読み取り枠と整数化の方法により数ピクセル程度の差が出る場合があります。
高いdpiが細部を必ず増やすわけではない
計算上は、dpiを2倍にすると横と縦のピクセル数がそれぞれ2倍になり、総画素数は約4倍になります。ただし、出力ピクセルが増えることと、読み取れる実在の細部が増えることは同じではありません。
フィルムの状態、撮影レンズ、ピント、ブレ、粒状性、スキャナーの実効解像力が限界になると、高い設定で取り込んでもファイルだけが大きくなる場合があります。ツールはスキャナーごとの実効性能や、適切な設定値を判定しません。重要な原版では、同じ範囲を複数の設定で試し、等倍表示と用途に近い出力で比較します。
印刷サイズは目標PPIで変わる
出力ピクセル数が分かれば、画像を拡大補間せずに指定PPIで配置する寸法を計算できます。
印刷サイズmm=ピクセル数÷目標PPI×25.4
先ほどの約3402×2268pxを300ppiで配置すると、約288×192mmです。これは画質を保証する上限ではなく、ピクセルをどの密度で並べるかを示す寸法です。鑑賞距離、用紙、プリンター、画像の内容によって必要なPPIは変わります。
容量は画素データだけを分けて考える
RGBは赤・緑・青の3チャンネル、グレースケールは1チャンネルとして計算します。1チャンネル8bitまたは16bitを選び、整数化した画素数から非圧縮の画素データ量を求めます。
画素データ容量=横px×縦px×チャンネル数×1チャンネルのbit数÷8
表示するMBは10進、MiBは2進の単位です。実際のTIFF、PNG、JPEGには、圧縮、ヘッダー、色プロファイル、サムネイル、メタデータなどが加わります。そのため、ツールの容量表示を保存ファイルの確定値として使わないでください。
トリミング後は完成画像で再計算する
フィルムスキャンでは、ホルダーの縁、傾き、未露光部分、ゴミや傷の補正によって、最終画像のピクセル数が変わります。事前計画には原版寸法からの計算を使い、スキャン後の印刷判断には完成ファイルの実ピクセル数を使います。
完成画像を特定の用紙へ印刷する場合は、写真の印刷サイズとPPI・DPIの計算方法で、用紙ごとの実効PPI、必要ピクセル数、縦横比の違いを確認できます。
入力内容はブラウザ内だけで処理する
このツールは画像ファイルを読み込みません。入力したフィルム寸法、dpi、PPI、カラー形式、bit数はブラウザ内だけで計算します。外部APIやCDNを使用せず、Cookie、LocalStorage、URL、解析イベントにも保存しません。
まとめ
フィルムスキャンの出力は、原版の実寸をインチへ換算し、スキャンdpiを掛けると見積もれます。そこから画素数、印刷サイズ、非圧縮画素データ量を分けて確認すると、設定を上げることで増えるものと、実際の細部の限界を混同しにくくなります。スキャン前は名目値を計画に使い、スキャン後は完成ファイルの実ピクセル数で最終判断してください。
